フォードモーターは11日、今夏米国で発売するフォード『フィエスタ』が、6000台以上の受注を獲得したと発表した。ホンダやトヨタといった日本車からの代替が多いという。
新型フィエスタは2008年秋、欧州市場で発売。フォードのデザイン言語、「キネティック」に従いデザインされ、小型ハッチバックでありながら高い存在感を放つ。また中国などアジア市場へは、4ドアセダンバージョンを投入。すでに欧州とアジアを合わせた累計販売台数は、50万台を突破している。
フォードは米国での小型車シフトの高まりを受け、フィエスタの米国導入を決定。昨年12月のロサンゼルスモーターショーで、米国仕様を公開した。米国向けのフィエスタは、5ドアハッチバックと4ドアセダンの2ボディを設定。エンジンは当面、1.6リットル直4ガソリンの1機種で、「Ti-VCT」(ツイン・インディペンデント・バリアブル・カムシャフト・タイミング)を採用して、最大出力119ps、最大トルク15.1kgmを引き出す。トランスミッションは、5速MTと6速AT「パワーシフト」。米国EPA(環境保護局)予想燃費は、高速17km/リットルとクラストップ水準だ。
室内は小型車を超える質感を追求。シートはクロスとレザーを用意し、NVH対策も徹底された。安全面ではESCやクラス初のドライバーニーエアバッグを標準装備。フォードのテレマティクスシステム、「SYNC」も最新バージョンを設定する。
新型フィエスタは、全米50州のフォードディーラーで先行予約を受け付けているが、予約台数が6000台を突破。そのうち半数は、フォード以外のブランドからの乗り換えで、フォードによると、ホンダ、トヨタ、ジープ、サターンからの代替が多いという。
また、予約客の約60%は上級グレードを選択。ボディタイプは5ドアハッチバックが約65%、4ドアセダンが約35%となった。ボディカラーは、青系のブルーフレームや緑系のライムスクイーズが人気だ。
フォードは15日から、新型フィエスタの正式受注をスタート。納車開始は今夏を予定している。フォードは「10万人以上が新型に関心を示している」と、確かな手ごたえを感じている様子だ。