出光興産は25日、中国最大の発電会社である華能集団傘下の華能国際電力の陽邏発電所(湖北省武漢市)の30万kW石炭ボイラで実施してきた燃焼シミュレーション技術適用による省エネコンサルティングの改善計画をまとめ、同日現地報告会を実施するとともに提案書を提出した。
コンサルティングは、石炭ボイラ内部の燃焼状態をコンピュータで解析・再現するシミュレーション技術を活用し、各バーナでの燃焼空気量やバーナ角度などの運転条件を最適化することで、設備改造を伴わない即効性のある省エネ改善を提案するもの。燃焼効率の向上や燃焼に必要な酸素量の低減が可能となり、石炭使用量の節減や所要動力の低減などの省エネ効果が期待されるとしている。
今回の改善により、灰中未燃分が5%から4%程度に低減され、1kWhの発電に必要な石炭消費量が約1.5g低減される見込み。ボイラ1基あたり年間約5000tの石炭使用量の節減、約1万tのCO2削減に相当する。
出光興産は今後、第三者機関による性能試験を実施し、改善効果を検証する。また、華能国際電力の他の発電所に同様の省エネコンサルティングを実施するとともに、これを他の発電集団にも拡大し、年間5件程度の定常的な受託を目指す。