【メルセデスベンツ SLS AMG 試乗】300SL の復刻版ではない…河村康彦

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SLS AMG
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これまでは「メルセデス・ベンツ車ベースのハイパフォーマンスカー製作者」だったAMGが、「コンセプト作りからを手掛けた初めてのモデル」というのがこの1台。アイキャッチャーでもあるガルウイング式ドアを採用する事からてっきり往年の『300SL』の復刻版かと思ったら、「当初はガルウイングなど考えていなかったし、SLSの名も別のものだった」というハナシにはちょっとビックリ。

そんなこのモデルが、開発陣の言うように「ピュアなスーパースポーツカー」であるのは、サーキットを走らせてみれば明らか。FR車ながらリア・トランスアクスル方式採用のお陰でトラクション能力は高く、フロント・ミッドシップ・レイアウトを用いたお陰でコーナーターンイン時点での長いノーズの動きもすこぶるシャープ。

オールアルミ製のボディは軽量である上に剛性感が素晴らしく高く、それもあってちょっとかためのサスペンションを組み合わせつつも快適性は十二分に納得のレベル。一方、ゲトラグ社製7速DCTはスポーツ走行では電光石火のシフト動作が嬉しいものの、微低速ゾーンでの滑らかさはトルコンATに及ばないのは、このアイテムが内製ではないゆえのマッチングの難しさもあっての事か。

そんなこのモデルの内容は、どこをとっても価格以上と思わせるので、星付け表での“オススメ度”も満点の5つ星に。とはいえ、日本では2000万円を軽く超えると目されるその価格はやっぱり「高嶺の花」で、『SLRマクラーレン』の半額以下!と言われても手が出ないけど…。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。ワールド・カーオブザイヤー選考委員、インターナショナル・エンジンオブザイヤー選考委員。

《河村康彦》

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