東京ガスは、発電部に横縞形セルスタックを搭載した固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムの実証運転を開始した。
実証運転は独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業である「固体酸化物形燃料電池実証研究」に参加したもの。このSOFCシステムは、東京ガス、京セラ、リンナイ、ガスターの4社が共同開発したもの。
このSOFCシステムでは、従来システムに比べて、一次エネルギー消費量を約45%、CO2排出量を約55%削減できる。発電部である横縞形セルスタックは、これまで1年程度の耐久性を確認し、セルスタックを複数本束ねたセルスタックバンドルの耐久試験を電気炉によって実施し、5年相当の耐久性を見込める結果を得たとしている。
東京ガスでは12月から、神奈川県横浜市と東京都国分寺市の戸建住宅で1台ずつ、合計2台のシステムを使って実証運転を開始した。2010年度には新たに4台の実証運転を実施し、合計6台の実証運転を行う予定。
システムを実負荷環境下で運転し、耐久性、信頼性の検証をするとともに、抽出した課題を今後の開発にフィードバックする。セルスタック、システムともに10年耐久を見込んでおり、発電効率の向上やコンパクト化を図ることで2010年代前半に商品化する計画だ。