ベントレーは1日、新型車『ミュルザンヌ』の英国発売を2010年夏とすると発表した。現地価格は22万ポンド(約3250万円)から。欧州全域や米国での販売も、順次スタートする。
ベントレーは2009年8月、米国カリフォルニア州で開催された「第59回ペブルビーチコンクールデレガンス」において、ミュルザンヌを公開。ミュルザンヌとは、ルマン24時間レースの行われるフランス・サルトサーキットに由来したネーミングだ。
これは1919年に創業したベントレーが、1924 - 1930年、ルマン24時間レースで5回勝利していることと関係がある。全長6kmものストレートの終わりに待ち受ける90度のヘアピンカーブが、「ミュルザンヌコーナー」である。
ミュルザンヌのルーツは、ベントレー創成期の1930年に発表された『8リッター』。この当時最強のグランドツアラーは、最高速160km/h以上を誇り、1931年にかけて100台が生産された。新型は『アルナージ』の後継車として発売される。
外観で目を引くのは、8リッターから受け継がれた丸型ヘッドランプ。そのデザインは非常に凝ったもので、LEDのデイタイムランニングライトで縁取られた。ベントレー伝統のフロントグリルと組み合わせられ、新しい表情を作り出している。
全体的なフォルムは、クラシックベントレーを現代流にアレンジしたもので、豊かなフェンダーラインや、優雅さを感じさせるリアビューが特徴。ベントレーの精神、「パワー&スピード」が巧みに表現された。ボディサイズは全長5562×全幅1926×全高1526mm、ホイールベース3266mmだ。
インテリアはベントレーのクラフトマンシップがふんだんに注ぎ込まれた空間。レザーは24種類、ウッドは9種類、カーペットは21色から選択できる。ボディカラーの114色と合わせて、豊富な組み合わせを提供する。
エンジンは新開発の6750cc・V8に、ツインターボを付加したユニット。最大出力512ps、最大トルク104kgmという圧倒的スペックを発揮する。また、8速ATの採用や巡航時に4気筒を休止させることで、旧アルナージ比で15%以上、燃費やCO2排出量を改善している。
ミュルザンヌは、英国クルー本社工場で2010年4月から生産開始。1台の完成までに9週間の時間が費やされる。英国での価格は22万ポンド(約3250万円)からで、2010年夏に納車がスタート。すでに欧州や米国の見込み客約1000名を招待し、内覧会を済ませているという。