筆者は国産ブランドのPNDについてはいくつかの機種について試用してきたが、GARMIN製品について本格的に触れるのは初めて。今回、『nuvi1480』を借りだして、GARMINならではの特徴について、詳しくレポートしていきたい。
◆GPSのみの測位で大丈夫?
まずnuvi1480の特徴だが、Bluetooth経由で携帯電話に接続することでインターネット検索とナビゲーション機能の連携が強化されたことやワンセグ放送が視聴できることなどが挙げられる。
そのほか、音楽再生や通貨・単位変換、世界時計、フォトビューアーなどパーソナルなデジタルガジェットとしても機能が豊富。これらの機能を順を追ってレポートしていきたいと思うが、まずは基本となるナビゲーション機能を見てみよう。
GARMINのPNDは、他社のポータブルカーナビと違って、加速度センサーなどに頼らずGPSだけでナビゲーションを実現することにこだわりを持っている。
確かに、GPSのセンシングや精度はハイレベル。交差点での自車位置の追従も問題なく、高層ビル街で衛星をロストする状況も思ったより少ない。GPSの精度については歩行者モードで使っているとよくわかるだろう。ちょっと向きを変えたり歩道での歩く位置を変えたりすると、地図の再描画で進行方向が一瞬変わってまたもとに戻ることがある。
最初は進行方向が急に変わったりする表示に戸惑うが、これは、GPSの位置情報をかなり短い間隔でトラッキング(更新間隔は1秒ごと)しているからと思われる。歩行中のちょっとした動きも再現してしまっているようだ。
◆設計の違いを感じるインターフェース
全体的な操作メニューのインターフェイスは、日本の標準的なカーナビと比較してしまうと、設計の違いを感じるかもしれない。まずトップメニューが地図表示と目的地検索の画面になっている。日本の平均的なカーナビは地図表示がほぼ無条件でデフォルトとなり、そこから目的地検索や設定などのメニュー画面に切り替えるという設定になっている。
これも、カーナビというより「PND」としてパーソナル情報デバイス、歩行者ナビ、カーナビとしてさまざまな用途で利用することを前提としている設計だからだろう。
とはいっても戸惑うのは最初だけで、使うほどにメニュー設計やインターフェイスが合理的にまとめられていることを実感する。PNDよりFIX(車載固定)タイプのカーナビの使用歴のほうが長い筆者も、GARMINのメニュー操作はすぐに慣れた。
ただ、カーナビとして日常的に使うのであれば、地図表示にすぐに復帰できる「現在地」ボタンはあってもよいと思った。各種の設定画面の深い階層から地図や現在地の表示に復帰するには、「戻る」ボタンを長押ししてから「地図」ボタンを押す必要がある。
◆ロストしても即復帰 オートズームは便利
続いて、実際に仕事での移動などで地図表示やルートガイドなどを使ってみて、気がついた点や機能などをまとめてみたい。
加速度センサなどは内蔵していないが、トンネルや衛星をロストしてからの復帰は早い。実際に使ってみて地図表示やルートガイドで困ったということはない。便利と思ったのは、ルートガイドの案内ポイントに近づくと自動的に地図のスケールを変更してくれる機能(オートズーム)だ。例えば、高速道路を走っていてスケールを大きくしていても、ジャンクションやインターチェンジに近づくにつれて、段階的にスケールを小さくして詳細表示にしてくれる。
案内ポイントの道路標示やレーン表示のグラフィックも見やすい。一時期、交差点や建物の3D表示やリアルな表示をするカーナビが流行したが、走行中に詳細な画面を出されてもじつはあまり意味はない。高速道路の表示板は画数の多い漢字などを簡略化しているように、だいたいの形状やレーンの本数などがわかれば十分だ。これはどのカーナビにも言えることだが、nuvi1480のガイド表示もまったく問題なかった。
地図データはゼンリンのもので、登録された住所情報は約3300万件となっており、番地・号まで入力できる。また電話番号では、およそ800万件の登録がある。カテゴリー検索もコンビニ、レストラン、ガソリンスタンド、宿泊施設など通常のカーナビと同じレベルで検索が可能だ。