新型ホンダ『ステップワゴン』の燃費向上の鍵となるのは、やはり吸気量可変システムの i-VTEC。負荷の少ない時には吸気バルブの一つを遅く閉じて吸気量を制限するカム形状に切り替えるシステムだが、通常カムの状態でも燃費を重視した特性にすることはできるハズ。
つまり、もっと全体的に燃費追求型のエンジンにすることもできたのではないだろうか。そう思って燃費向上について開発してきた本田技術研究所の新地さんに尋ねてみた。
「確かにそうなんです。開発中にも5ps、最高出力を諦めれば目標とする燃費は達成できるという話も出ました。でも、それではホンダのエンジンにはなりません。走って楽しいクルマでなければホンダのクルマではありませんから」
通常カムでは燃費性能も重視しつつ、ストリームよりトルクアップを実現している。それはバランサーを廃止した影響もあるのだろうが、吸気バルブの大径化とバルブタイミングの最適化によって達成された走りへの追求の結果だ。
可変管長吸気マニホールドを見ても、ここまでこだわったエンジンはないと思わせる。まるで4連スロットルかと思うほど、各気筒に独立したバタフライバルブを与えて、切り替えの入り口にはファンネル形状まで取り入れているのだ。