10月4日、秋晴れの鈴鹿サーキットで開催されたポルシェ カレラカップ ジャパン(PCCJ) 第10戦。F1選手権のサポートレースであるこの最終戦は、大勢の観客が見守る中11時半の決勝スタートを迎えた。
なんと言っても注目は、シリーズランキングトップを行くゼッケン8清水康弘選手(クラスA)と、前日の第9戦で意地の走りを見せたゼッケン92中村嘉宏選手(クラスA)とのシリーズチャンピオン争いだろう。清水選手がトップを守るか、それとも中村選手が大逆転を演じるか。毎年ドライバーの実力が伯仲するPCCJだが、今年も最後まで目を離すことができないシリーズとなった。
第10戦決勝のスターティンググリッドは第9戦のファステストラップ順に並ぶ。ポールはゼッケン8の清水選手。つづいてゼッケン92中村選手。さらに、3番グリッドは最終戦にスポット参戦した昨年シリーズのランキング2位、ゼッケン27都築善雄選手(クラスA)が特例でつくことになった。
スタートは波乱の展開。ポールスタートのゼッケン8清水選手は好スタートを切ったが、3番手のゼッケン27都築選手がやや出遅れた中村選手をパスして第1コーナーに飛び込むことに成功。また後方では6番手スタートのゼッケン55水谷晃選手(クラスB)がエンジンをストールさせてしまう。
出だしに後れをとった中村選手だが、このレースに逆転優勝をかけ気迫の走りを見せる。ゼッケン27都築選手を130Rの入り口で見事パス。逃げる清水選手を追いかける。だが、鈴鹿で抜群の走りを見せる清水選手は、さらに後続を引き離しにかかり、5周目には2分10秒724のファステストラップを記録する。
一方、中団争いでは、ゼッケン7海宝善昭選手(クラスB)やゼッケン13吉田基良選手(クラスA)ら合計4台に、後方から追い上げてきたゼッケン55水谷選手も加わって激しいつばぜり合いを展開していた。
注目のトップ争いはゼッケン8清水選手が食い下がるゼッケン92中村選手を徐々に引き離し、独走態勢に入った。8周目にレースは再び動く。2番手を走っていた中村選手がスプーンカーブ進入でオーバーランのミス、後方ぴったりに付けていたゼッケン27都築選手がこのスキを逃さず中村選手を交わすことに成功した。
結局、レースは2位以下を9秒引き離す独走で清水選手が優勝し、同時にシリーズチャンピオンが決まった。2位以下は都筑選手、中村選手、ゼッケン88塙翔選手(クラスA)の順でフィニッシュした。クラスBの優勝は、総合でも4位を獲得したゼッケン16マイケル・キム選手で、こちらもクラスBのシリーズタイトルを獲得した。