日本精工は29日、遊星歯車機構(プラネタリ)用ケージ&ローラ「高速回転仕様ミニアチュアプラネタリ用ケージ&ローラ」を開発した。
CO2の排出量削減と燃費向上を目的として、変速ショックの低減と動力の伝達効率を高めるため、上級モデルを中心にコンパクトなスペースに最大8速の多段ギヤを搭載したATが増加している。ハイブリッドカーでは、高い出力を発生するための高速回転をより小型なモータで可能にする開発が進んでいる。
こうした中、ギヤの変速とトルクの伝達を行なうプラネタリ機構の中で使用されるケージ&ローラは高速回転や小型・軽量化への対応が求められている。
新製品は保持器の形状を強度の高いM型にすることで、プラネタリ用ケージ&ローラとして世界最小レベルの小型化を実現した。これにより、ベルトCVTやAT、ハイブリッドカーの変速機の小型・軽量化を可能にする。
また、保持器に浸炭窒化処理を施した高強度のクロムモリブデン鋼を採用し、保持器の板厚を従来品よりも20%薄型化したことで、従来比1.5倍の限界回転数を実現した。
新製品により2015年に売上25億円を目指す。