スズキ、プレミアムセグメント初参入…キザシ 発表

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米国スズキは30日、新型車『キザシ』を発表した。プレミアムミッドサイズセグメントにスズキが初参入するモデルで、将来はハイブリッドの設定も計画している。

キザシは2年前から、コンセプトカーとして姿を披露してきた。今回はその市販バージョン。同社のグローバルなフラッグシップセダンとして、ブランドイメージ向上の役割を担う。スズキによると、ライバルはアキュラ『TSX』、アルファロメオ『159』、フォルクスワーゲン『パサート』だという。

外観はコンセプトカーのデザインを踏襲しており、フロントマスクはひと目でスズキ車とわかるアイデンティティを表現。短いフロントオーバーハングやボリューム感を持たせたボディラインの効果もあって、スポーティな雰囲気を発散する。リアはバンパーに内蔵されたエグゾーストパイプが特徴だ。

ボディサイズは全長4650×全幅1820×全高1480mm、ホイールベース2700mm。新型スバル『レガシィB4』(全長4730×全幅1780×全高1505mm、ホイールベース2750mm)と比較すると、キザシのほうが全長は80mm、ホイールベースは50mm短いが、全幅は40mm上回る。

エンジンは新開発の2.4リットル直4。ブロック、シリンダーヘッド、ピストンにアルミを使用した軽量エンジンだ。バランサーシャフトも採用し、NVH(ノイズ/振動/ハーシュネス)の低減を図る。

最終スペックは確定していないが、スズキによると最大出力は約200psとクラス最高レベル。米国EPA(環境保護局)高速燃費は、12.75km/リットル程度になるという。

トランスミッションは6速MTとCVT。CVTにはパドルシフトが組み合わせられる。駆動方式はFFと「i‐4WD」と呼ばれる4WD。FF走行を基本に「AWD」スイッチを押すと後輪に駆動トルクが配分され、滑りやすい路面での走行安定性を高めてくれる。

ハンドリングに関しては、ドイツ・ニュルブルクリンクとアウトバーンをはじめ、スイスアルプス、英国カントリーロードなど、世界の道で徹底的に鍛え上げた。

アルミ製サスペンションは、前がマクファーソンストラット、後ろマルチリンク。スプリングはKYB製だ。操縦安定性、乗り心地、NVHを高レベルで実現する。ブレーキは曙ブレーキ製の4輪ディスク。オプションで18インチのタイヤも装着できる。ESPや8個のエアバッグなど、安全面にも抜かりはない。

インテリアは左右対称のインパネが特徴。各部の素材は吟味され、プレミアムスポーツセダンにふさわしい仕上がりを見せる。前席はスポーツシートとなり、オプションでレザーが選択可能だ。室内空間は大人4名に十分なスペースを確保。出力425Wの「ロックフォードフォズゲート」オーディオ、i-PodやBluetooth接続機能など、オプションは豊富に用意する。

新型キザシは静岡県相良工場で生産。米国では今冬発売され、その後、欧州へも投入する。将来は、ハイブリッドモデルの追加を予定。小型車中心のスズキが、新たな顧客を獲得できるか注目される。

《森脇稔》

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