日立化成、高熱電動接着シートを開発 ハイブリッド自動車向け

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日立化成工業は、ハイブリッド自動車用インバータ、家電製品、LED照明やコンピュータ周辺機器に使用される様々な電子部品の発熱に対する絶縁性放熱材料として、全方向に高熱伝導性を発揮する接着シート『ハイセット』を開発した。今後、サンプルワークを推進し、2013年に売上高50億円を目指す。

パワー系電子部品は、大電流化と小型化に伴う発熱により部品温度が上昇していることから、高い絶縁性を保ちながら、効率的に放熱するかという課題に直面しており、トレードオフの関係にある絶縁性と高熱伝導性を両立する材料が求められている。熱伝導性を高めるためには、樹脂に高熱伝導性のセラミックフィラーを大量に配合する方法が一般的だが、フィラーが多いと柔軟性が損なわれ、絶縁信頼性や回路との接着性が弱まる。

また、フィラーによっては熱伝導性に異方性が大きいものがあるため、全方向に高熱伝導性と強い接着力を併せ持つ絶縁性放熱材料が求められている。

同社は、日立製作所と共同で、ナノテクノロジーの活用により絶縁性と熱伝導性を両立したエポキシ樹脂を開発した。この樹脂をベースに日立化成が信頼性の高い丸み形状の無機フィラーを適量配合することで、コンポジット構造の接着シートのハイセットを開発した。ハイセットは、全方向に高熱伝導性と高い絶縁性を持ち、高温下での信頼性が高く、発熱する部品などに熱圧着することができ、樹脂の硬化後は強固な接着力を持つ。また、吸水性が低く、軽量で扱いやすい特徴を持っている。

ハイセットの使用例としては、ハイブリッド自動車用インバータの放熱対策に用いた場合、シート自体が接着性を持つことから、従来用いられていた絶縁用セラミックス材やその接合工程等が不要で、構造を簡略化できること、加工のしやすさから設計の自由度が高まること、などのメリットがある。

同社では、今回の開発により、更に放熱材料のラインナップを充実し、積極的に拡販活動を推進し、売上拡大を目指す。

《レスポンス編集部》

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