【ドイツ ミドルクラスセダン徹底比較】今なぜ5シリーズか…BMWのエンジニアリングからフィロソフィーまで

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あくまでドライバーが求めるものを提供する

もう一つ、現行5シリーズを語る上で外せない技術は、同モデルで初めて採用された「アクティブ・ステアリング」だろう。これは車速やヨーレートセンサー等から得た走行状況に応じて、ステアリングギア比とアシスト量を可変するものだ。その主な目的はロック to ロックが2回転以下という低速時の取り回しの良さと高速走行時における直進安定性の両立にある。

ただし可変ギアレシオに関しては、2000年に登場したホンダ『S2000 タイプV』の「VGS」があったし、横滑り防止装置と協調してアシスト量を可変するものは、5シリーズと同じ2003年にデビューしたトヨタの2代目『プリウス』の「S-VSC」がある。またこの2009年にデビューしたメルセデスベンツの新型Eクラスにも、同社初のステアリン・ギア比可変システム「ダイレクトステアリング」が採用されている。

だが、BMWのアクティブ・ステアリングが優れているのは、デビュー当時すでにヨーレートセンサーを備え、DSC(ダイナミックスタビリティコントロール)と協調しながら、車両が不安定になるとステアリングアングルをまさにアクティブに(能動的に)修正するという先進性にあったと考えられる。これはデビュー当時、クルマ自らカウンターステアを切る、というやや大げさな表現で話題となった。

この点について佐藤氏は「最近になって他社で採用されている類似の技術については、BMWのものと少し方向性が違うと考えています」と控えめに表現する。「BMWのアクティブ・ステアリングは単純に高速域での直進安定性や低速時の取り回しの両立を図るだけではなく、あくまでデータを蓄積・解析しながら『お客さまが意図するハンドリングを提供する』ことを目的として開発されています」。そしてアクティブ・ステアリングの制御やロジックは改良され、進化し続けている。

5シリーズが今もって先頭を走り続けている機能や技術はこれまで紹介したものにとどまらない。例えば、やはり2001年に7シリーズで始まり、その後も進化し続けているiDriveであり、あるいは当時まだ珍しかったレーダーを使ったアクティブ・クルーズコントロール、光軸可変機構の付いたアダプティブヘッドライトなど、枚挙にはいとまがない。「確かに5シリーズはデビューから6年経つモデルですが、それだけ先を走っていたクルマであり、ようやく他社が5シリーズの良い部分を研究して追いついてきた部分があると思っています」(佐藤氏)。

◆主役はドライバー

BMWがいかに前後重量配分50:50や軽量化にこだわっているかの一端は以上の通りだが、そこでまた最初の疑問が頭をもたげてくる。一般ユーザーにとってBMWの「走り」の本質とは何なのだろうか。

それは、『セーフティ』であり『コントローラビリティ』であるといえるだろう。

人はミスを犯す。エアバッグやDSCといった安全装備を全車標準とし、強固なボディシェルなどによるパッシブセーフティについてもBMWは他社以上の性能を備えているというのは周知のとおりだ。

と同時に、BMWはあくまで基本的にはドライバーがクルマをコントロールできること、アクティブ・セーフティを重視している。

佐藤氏は言う。「BMWは主役はドライバーと考えるメーカー。常にドライバーが中心にあり、例えば路面状況が分かりやすい、あるいはブレーキを掛けた時のコントロール性が良い、急なステアリング操作をした時にもバランスよくクルマが動く、といった要素を重視しています。ですので50:50の前後重量配分も、実はどんな状況でも『アクティブ・セーフティ』に一番関係することなのです」。

【関連リンク】BMW 5シリーズ公式サイト

《丹羽圭@DAYS》

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