8月登場の『XC60』に標準搭載の「シティ・セーフティ」
事故の多くは人のケアレスミスで起きることが多い。特に渋滞中などの追突事故は、速度が出ていないだけに注意力が落ちてミスを起こしがちになる。そんなヒューマンエラーをカバーしてくれる、量産車では世界初の自動ブレーキシステムがボルボの「シティ・セーフティ」だ。
8月に発売される新型クロスオーバー車『XC60』に標準搭載されるこのシステムは、ルームミラー横についた赤外線レーザーが前方車両のリフレクター等からの反射状況を監視し、追突の危険を感知したらアクセルを戻しブレーキを自動的に作動させるというもの。走行が30km/h以下で動作し、6m前方までのクルマを常に監視し、前車との速度差15km/h以内であれば人がブレーキペダルを操作しなくても、車両を完全に停止させて追突を回避するという。
◆自動フルブレーキは強烈
7月5日に愛知県海部郡飛島村(名古屋港)のボルボパーツセンターで行われた地元ディーラーの顧客向け体験イベントで、前方に車両ではなく反射板を置いての動作を体験したが、助手席の手荷物が前に転がり落ちてしまうほどの強いショックを伴っての急停止はインパクト抜群。ギリギリ30cmほどを残して止まり、運転席からは接触しているようにも見えるから、その強力な効果は来場者の記憶に残る体験となった。
むろん、雨など天候による赤外線への影響や、路面自体が雨で滑りやすい場合などの要因では、いつも完全に停止するわけではない。また何より人や壁などクルマ以外のもの(赤外線の反射を検知できないもの)には反応しないので、どんなものにもぶつからないという夢の自動ブレーキではない。しかし渋滞中の脇見運転による追突事故があとを絶たない日本の道路事情では、大変有効な装置となることは間違いないだろう。
◆ACCとの同時装着可能
オプションでなく、標準装備されていることで、オーナーは意識せずに大きな恩恵を受けることができるというあたり、ボルボの安全への取り組みがまた一つ結実したわけだ。なお、オプションで用意されるACC(アダプティブ・クルーズコントロール)との同時装着は可能だが、追突軽減オートブレーキとの同時装着できない。