インドのタタモータースは4日、新型『ナノ』の初回抽選販売分10万台に対して、20万3000人から予約を受け付けたと発表した。倍率は2倍と意外にも低調だ。
タタは3月23日、新型ナノの価格を11万2735ルピー(約21万7000円)からにすると正式発表。混乱を避けるため、初回ロットの10万台については、予約による抽選販売方式を導入した。
予約は4月9日から25日までの期間限定で実施。タタはインド銀行と協力し、国内1000都市、合計3万拠点の銀行やタタディーラーなどで予約を受け付けた。予約シートは300ルピー(約580円)で販売され、予約が完了するとデポジットとして、最低2999ルピー(約5800円)を支払う仕組みだ。
タタによると、発表から4月25日の予約締切までの約1か月間に、ナノのウェブサイトには約3000万件のアクセスが殺到。販売店には実車をひと目見ようと、約140万人が押し寄せたという。しかし、約61万人が予約シートを購入したものの、実際にナノの予約を済ませたのは、20万3000人にとどまった。
ナノは3グレードを設定。最もベーシックな「スタンダード」は11万2735ルピー(約21万7000円)、中級の「CX」は13万9780ルピー(約26万9000円)、最上級の「LX」は17万0335ルピー(約32万8000円)となる。予約した顧客の50%は、最上級のLXを選択。CXは30%、ベーシックなスタンダードは20%にとどまった。支払い方法は、顧客の70%がローン、30%が現金を選択したという。
ナノは7月からインド国内で納車がスタートする予定。初回販売10万台に対して20万件の予約ということは、倍率は2倍とそれほど人気は過熱しなかった。タタは新工場が稼動する2010年末に、ナノの年産台数を35万台へ引き上げる計画。それまでは、顧客も様子見といったところだろうか。