GMは24日、シボレー『コルベット』に「グランスポーツ」を設定した。6.2リットルV8(430ps)を搭載。ドライサンプオイルシステムや専用ワイドボディを採用。足回りも強化した新グレードだ。
グランスポーツとは1963年に、わずか5台のみが生産された伝説のレーシングカーにちなんだネーミングだ。GMは1963年、2代目コルベット「C2」をベースに、スポーツカー世界選手権に参加する目的で、5台のレーシングカーを製造。これがグランスポーツのルーツである。
その後1996年、グランスポーツは4代目コルベット「C4」の特別仕様車に、その名前が使用された。ブルーのボディカラーに太いストライプというグランスポーツは、限定1000台が好評を博している。
久々に復活するグランスポーツは、従来の「Z51パッケージ」の後継として用意。パワートレーンはコルベットの「LS3」がベースで、6.2リットルV8は最大出力430ps、最大トルク58.6kgmを発生する。これでも物足りないという顧客には、2モードエグゾーストシステムを設定。最大出力は436ps、最大トルクは59.1kgmへ引き上げられる。GMによると、0-96km/h加速は0.2秒短縮しているという。
トランスミッションは6速MTとパドルシフト付きの6速AT。6速MT車には、レーシングカーに由来する専用装備を導入した。ドライサンプオイルシステム、デフの冷却システム、リアマウントのバッテリーの3点だ。ギアレシオも専用仕様に変更される。
MT、ATともに足回りを強化。コルベットのスポーツグレード、「Z06」と共通仕様のダンパー&スプリング、スタビライザーを採用。ブレーキはフロント355mm&6ピストン、リア340mm&4ピストンが奢られる。前後タイヤサイズは、275/35ZR18と325/30ZR19で、アルミホイールは専用5本スポークデザインとした。
外観は前後フェンダーを膨らませた専用ワイドボディが迫力満点。見た目だけでなく、前後トレッドを拡大しているため、タイヤを収める目的もある。前後スポイラーも装着。フロントフェンダーには、ブレーキ放熱用のエアダクトが追加されている。
グランスポーツは2010年モデルとして、北米市場で今年後半に発売。クーペとコンバーチブルの2ボディがラインナップされる。米国随一のリアルスポーツカー、コルベットの魅力を引き上げる新グレードの誕生だ。