GMは21日、上海モーターショーでビュイック『ビジネスコンセプト』を発表した。独立したシートを備える6名乗りの高級ミニバンで、パワートレインは環境に優しいハイブリッドだ。
ビュイックビジネスコンセプトは、GMのPATAC(パン・アジア・テクニカル・オートモーティブ・センター)が、デザインからエンジニアリングまで、すべてを手がけた第1号車。全長は5278mm、ホイールベースは3198mmという堂々の大型サイズ。フロントにはビュイック車に共通する大型メッキグリルが装着され、強い押し出し感を演出している。
室内はダッシュボード横一面につながるメーター類が斬新。3列のレザーシートは、すべて独立キャプテンタイプで、優れた快適性を提供する。セカンドシートはスライド機構と225度の回転機構が付き、スライド式のコンソールも導入している。
サイドドアは両側ともパワースライド式。センターピラーがないので、抜群の開放感と高い乗降性が得られる。リアビューカメラやオンスターなども装備。4分割のパノラマガラスルーフも採用された。
パワーユニットは近い将来、中国で市販予定のGMの次世代ハイブリッドを搭載。直噴2.4リットル直4ガソリンエンジンにモーターを組み合わせたシステムは、ビュイック『ラクロス』の「エコハイブリッド」の発展形だ。2次電池はリチウムイオンバッテリーで、アイドリングストップ機構や回生ブレーキも追加。燃費性能はラクロス比で最大20%向上しているという。
高級ハイブリッドミニバンといえば、日本ではトヨタ『エスティマ・ハイブリッド』や『アルファード・ハイブリッド』(生産終了)が思い浮かぶ。GMグローバルデザインのEd Welburn上級執行役員は、「このミニバンはビジネスおよび上級パーソナルユースの顧客に対する新しい提案」とコメント。中国ではビュイックの知名度は圧倒的に高いだけに、セダンに満足しない富裕層をも取り込んでいく方針だ。