フォルクスワーゲンは20日、上海モーターショーで新型『パサートLingyu』を発表した。同車は中国専用のミッドサイズセダンで、中国の役人や富裕層に高い人気を誇るモデルである。
新型パサートLingyuは、先代シュコダ『Superb』(スパーブ)をベースに開発。ホイールベースは2803mmと欧州仕様の『パサート』よりも約90mm長く、これが広い室内空間を生んでいる。とくに中国の顧客が重視するリアシートの快適性に関しても、新型は万全の気配りを施しているという。
エンジンはパワーを引き上げながら、燃費を向上。例えば、1.8リットル直4ターボを積む「1.8T」の場合、最大出力は150psから163psへアップ。2.4リットル直4並みのパワーを実現した。
それでいて、燃費はAT車が13.7km/リットルから16.1km/リットルへ、MT車が14.1km/リットルから15.9km/リットルへ、それぞれ改善。高い経済性をアピールする。
フォルクスワーゲングループ中国のWinfried Vahland社長兼CEOは、「中国における2009年1-3月新車販売は、我々の予想を上回る好調さだった。新型パサートLingyuと新型『ゴルフ』の投入で、中国でのラインナップをさらに強化していく」と語っている。
新型パサートLingyuは従来通り、ホンダ『アコード』やトヨタ『カムリ』と競合。フォルクスワーゲンはすでにパサートLingyuがベースの燃料電池車を開発しており、中国における同社の環境イメージ牽引役も、このLingyuが担うことになる。