昨年3月、福岡県川崎町で定員外乗車のクルマを飲酒運転し、電柱に衝突させる事故を起こして7人を死傷させたとして、危険運転致死傷などの罪に問われた19歳の少年に対する判決公判が16日、福岡地裁飯塚支部で開かれた。裁判所は懲役4年以上7年以下の不定期実刑を命じている。
問題の事故は2008年3月31日未明に発生した。川崎町川崎付近の県道を走行していた乗用車がカーブを曲がりきれずに道路左側の電柱に衝突。クルマは大破し、後部座席にシートベルト未着用の状態で同乗していた17歳の男性2人が全身強打で即死。車外に放出された2人を含む男女4人が骨折や打撲の重軽傷。運転していた18歳(当時)の少年も軽傷を負った。
当時は雨が降っていたが、クルマは定員(5人)を超える7人が乗車。運転していた少年には酒気帯び運転で、制限速度を30km/hオーバーした状態で走行を続けていたことが後の捜査で判明している。
弁護側は「ハンドル操作ミスで生じた事故」として速度超過状態を否認していたが、16日に開かれた判決公判で福岡地裁飯塚支部の杉山正士裁判長は「クルマは77 - 95km/hという速度超過状態で進行し、事故直前には制御が困難な状態になっていた」として、弁護側の主張を退けた。
その上で裁判長は「危険極まりなく無謀な運転」と指摘し、被告の少年に対して懲役4年以上7年以下となる不定期実刑の判決を言い渡した。