ダイムラーは26日、スマート『フォーツー』を使用したカーシェアリング、「car2go」(カーツーゴー)のサービス拡大を発表した。従来はウルムで働くダイムラー社員だけが対象だったが、今回からウルム市民と観光客が利用できるようになった。
「car2go」は2008年10月24日、ダイムラーが発表した新しいカーシェアリングシステム。まずはドイツ南部の都市、ウルムで試験導入され、50台のスマートフォーツー「cdi」が、ダイムラー社員とその関係者に貸与された。
「car2go」はとても簡単な方法で車両が借りられるようにした点が特徴。1回登録しておけば、あとは携帯電話やパソコンから、いつでも予約が可能。50台のスマートは市内の専用駐車場に用意され、電子チップを埋め込んだ免許証をウィンドウの読み取り機にかざすだけで、車両のロックは解除される。
料金体系もシンプル。走行した距離に関係なく、1分につき19セント(約25円)が課金される。この金額にはガソリン代、保険料、税金が含まれる。車両は市内に限って走行可能。駅や空港などで乗り捨てもできる。
ダイムラーの社員を対象に行った試験運用では、約500名が利用登録を行い、延べ8000回、1日平均で1台当たり8名が使用するという高い利用率を示した。大きなトラブルもなかったことから、ダイムラーはウルム市民12万人とウルムを訪れる観光客に、「car2go」の適用を拡大した。
利用には事前登録が必要だが、料金は従来通り、1分につき19ユーロセント(約25円)。1時間なら9.9ユーロ(約1280円)、1日なら49ユーロ(約6360円)と割安になる。
さらに、ダイムラーはドイツ以外でも「car2go」を導入する方針。2009年秋から米国テキサス州オースチンで、スマートフォーツーによるカーシェアリングを開始する。オースチンはテキサスの州都であり、人口75万人とウルムよりも巨大な都市。カーシェアリングの効果は大きいと期待されている。