新日本石油は、石油精製部門である新日本石油精製の水島製油所に「溶剤脱れき装置(SDA)」が竣工したと発表した。
同社グループと旭化成ケミカルズ、日本ゼオンは、水島コンビナート地区で石油残渣を利用した省エネルギー事業計画を進めている。今回完成した溶剤脱れき装置は、アスファルトなどの重質油留分から灯油、軽油などの軽質油留分の原料を抽出するもの。その際に発生する石油残渣物(SDAピッチ)は、旭化成ケミカルズと日本ゼオンが新たに建設中のボイラ設備の燃料として有効利用する。
これにより、従来ボイラ設備の燃料として使用していた重油などを削減し、省エネルギー化を図る。
水島製油所に設置したSDAの処理能力は1日2万バレル。同製油所では、SDAの設置で需要が減退している重質油留分の生産量を削減できるとともに、処理原油を調達コストの低い重質原油にシフトすることで、旭化成ケミカルズと日本ゼオンは、ボイラ燃料を石油残渣物に変更することで、コスト削減が可能となる。