12日、横浜港湾地区にある国際展示場、パシフィコ横浜にて「ジャパンインターナショナルボートショー2009 in 横浜」が開幕した。
ボートショーとは、マリンスポーツやマリンリゾート用の舟艇、いわゆるプレジャーボートや帆走ヨットの展示会。会場にはクルーザーや外洋航行型のヨットから、1 - 2名乗りの水上バイクまで、様々なタイプの舟艇が展示されており、リゾート気分に浸れる。
ホールのコンコース寄りには、日本メーカーのブースが並ぶ。ヤマハ発動機、トヨタ自動車、日産マリーン、ホンダ、スズキ、そこから少し離れたPWC(パーソナル・ウォーター・クラフト=水上バイク)のコーナーには川崎重工業……と、クルマや二輪車でおなじみのロゴが並んでいる。また、船舶用エンジンの世界的名門ヤンマー、日本で初めて船外機を作ったトーハツなどもブースを連ねる。
最大ブースは圧倒的な国内シェアを持つヤマハで、野外のフローティング会場の新型艇、ヤマハ38コンバーチブル(艇長38ft=約12.6m)、屋内ブースの小型高級艇のラクシアをはじめ、「海 とびきりの週末。」をテーマに大小様々なモデルをリゾートライクに展示している。
隣のトヨタブースでは、展示モデルのひとつで外殻にアルミハルを使用したハイテク艇、PONAM-28Lにプライズの垂れ幕が。この日行われた第1回ボート・オブ・ザ・イヤー2008最終選考会で大賞を受賞したとのこと。
船体専門の日産ブースでは、新開発のカタマラン型(双胴)小型艇、サンキャット26が目を引く。低出力・低燃費エンジンとの組み合わせでも30ノット以上の高速を出すことができるエコロジー性とローリング、ピッチングの少ないフラットな乗り心地が売りだ。
反対にエンジン専業のホンダは、船外機のフルラインナップやアメリカのボートビルダー、ROBALOにエンジンをセットアップしたものを展示。また、燃費を従来機種より約2割向上させた新世代船外機、新BFシリーズのトップモデルとなるBF60を参考出品している。
輸入モデルでは、世界最大のプレジャーボート、ヨットメーカーの仏ジャノーの外洋航行型ヨットをはじめ、仏ベネトウ、イギリスのムーディを買収して世界5位に躍進した独ハンスなど、ヨットを中心に多数が展示。もともとマリンリゾートは地中海やカリフォルニア、オセアニアが中心で、メーカーも自動車業界とは異なり海外勢が圧倒的に強い。舟艇専門のデザイナーが腕を競う海外メーカーのヨットはデザインも優雅であり、必見だ。
ボートショーは15日まで開催される。マリンファンにとって興味深い展示内容であるだけでなく、近年のマリンリゾート衰退にともない、マリーナの繋留価格が以前に比べて非常に安価になっており、クルマの駐車場代と変わらなくなってきているなど、最近のマリンリゾートの美味しい情報を知ることもできる。会場で商談が行われる販売ショーだが、展示モデルはほぼすべて艇内に入ることができ、また試乗会などもあるので、船のことを知ってみたい、ちょっとさわってみたいという人にはお勧めだ。