ジャガーは12日、「XF」シリーズの最強版、『XFR』を発表。その性能を試すべく、2008年11月7日に米国ユタ州のボンネビル・ソルトフラットで行った最高速チャレンジで、363.188km/hというジャガー最速記録を樹立した。
XFRは新開発5.0リットルV8直噴スーパーチャージャーを搭載。最大出力510ps、最大トルク63.7kgmを発生する。0-96km/h加速4.7秒、最高速度250km/h(リミッター作動)とパフォーマンスは刺激的だ。
ノーマルでも十分以上に速いXFRだが、ソルトフラット走行にあたって、フロントリップスポイラーやリアウイングを装着し、空力抵抗を改善。エンジンはスーパーチャージャーのブーストアップ、コンピューターの交換、吸排気系の改良などのチューニングが施された。
その結果、最大出力は約90psアップし、600psオーバーを実現。室内にはロールケージや消火器が組み込まれた。6速ATはギアレシオを含めて、手を加えていない。
ステアリングを握るのは、ロケットスポーツレーシング社のPaul Gentilozzi代表。2001-2006年までジャガー『XKR』で米トランザムシリーズに参戦しており、最高速トライアルも手慣れたものだ。
ボンネビル・ソルトフラットは古代の塩湖の跡地で、一面、白い平原が広がる。この白い台地をジャガーXFRは疾走し、363.188km/hという歴代ジャガー最速記録を達成した。
ちなみに、これまでの最速ジャガーは1992年にスーパーカーの『XJ220』が叩き出した349.4km/h。元F1ドライバーのマーティン・ブランドル選手が、イタリアのナルドサーキットで記録したものだった。XFRは4ドアサルーンでありながら、この記録を15km/h近く上回ったことになる。
チャレンジを終えたPaul Gentilozzi氏は、「ニュージーランドからフランスのルマンまで、世界各地のレースに参加したが、こんなにエキサイティングな車に乗ったのは初めて」とXFRの性能に驚いていた。