日立、小型・低コストな車速センサ技術を開発

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日立製作所は、ミリ波レーダ(77GHz帯)を用いた、自動車の絶対速度を正確に測定できる小型・低コストな車速センサ技術を開発した。

この技術は、波長数mmのミリ波を地面に向けて照射することにより、地面に対する自動車の絶対速度を計測するもので、従来の車輪回転センサを用いて車輪の回転数から速度を計測する方式に比べて、スリップ時やブレーキ作動中のタイヤの回転が停止している状況でも計測が可能。

また、今回、アンテナや回路設計の工夫により、ミリ波レーダの送受信部をアンテナも含めて1チップ化し、6.5×4.4×6.0(mm)の小型化を実現。測定範囲を近距離に限定したことにより、これまでのセンサでは、安定動作させるために必要だった専用モジュール構造の設計が不要となり、通常の半導体チップと同様のプラスチック樹脂によるパッケージでも、安定動作を確保できる。

さらに、電波を収束する機能を持つ超小型のボール型レンズ構造を考案し、プラスチック樹脂で作製した。これにより、ミリ波レーダの課題であった低コスト化を可能とするとともに、小型化にも成功した。

1チップ化したレーダセンサの試作品を信号処理回路や電源回路などとともに実装した車載センサユニットを用いた走行実験では、測定誤差2%という結果を確認できたとしている。

新技術は、ABSやACCといった走行自動制御など、車速度に基づいて制御されるシステムの性能向上に寄与するとともに、今後は、車体の側面や後部など、運転席からは見えにくい範囲の衝突物を検知するための近距離車体周辺監視センサへの応用も検討している。

《レスポンス編集部》

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