三菱自動車から久々のトールタイプの軽自動車となる新型『トッポ』が発売された。トッポは90年代には『ミニカ』をベースとした『ミニカトッポ』として登場し、1998年の軽自動車の規格改定時からは『トッポBJ』として販売されていた。
言わばトッポシリーズは現在流行しているトールタイプ軽自動車の先駆け的なモデルだった。
ただし、2001年に三菱が『eKワゴン』を発売してからはeKワゴンが販売の主軸となり、2003年にはトッポBJはラインナップから姿を消していた。そのトッポが5年ぶりに復活した理由はどこにあるのか、三菱自動車 商品企画部の葛西宏樹さんに聞いてみた。
葛西さんは「現在の軽自動車市場はトールタイプが主流となり、さらにその勢力を拡大しそうな傾向にあります。そこで新型トッポを導入して少しでも市場の確保したいと考えました」
「三菱は2001年にセミトールタイプのeKワゴンを導入し、一定の成果を上げることができていましたが、トッポBJからの代替えでは他社のトールタイプに顧客が流失することも多く、やはり三菱にもトールタイプの軽自動車が不可欠という結論に達したのです」
「新型トッポは余裕のある頭上空間や上質なスタイリング、競合車の上を行く快適装備などをセールスポイントとしています。その上でeKワゴンとの部品の共用化などを進めることで、お買い得な価格帯を実現しています」とコメント。
確かに一度背の高い軽自動車を経験したユーザーは、eKワゴンの全高では物足りなさを感じるだろう。トッポBJの代替え顧客の囲い込みと、他社のトールワゴンから乗り換えるユーザーを獲得したい場合には、三菱車のラインナップの中にもトールタイプは外せない存在となるはずだ。
しかも葛西さんの言うとおり新型トッポの価格帯は93万4500円からスタートしており、AT車で比較すればeKワゴンのベースグレードよりも安いモデルも用意されている。価格を重視しながらもトールタイプの軽自動車が欲しい人には最適なモデルになりそうだ。