【新聞ウォッチ】「加油ニッポン!」北京五輪一色、ガソリン高の「明暗」

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気になるニュース・気になる内幕…今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップ、内幕を分析するマスメディアクルージング。

★2008年夏休みスペシャル版

テレビ放映された「足跡」花火がコンピュータ・ グラフィックス(CG)の「合成映像」だったなど、いかにも“偽装王国”らしい開会式から早くも12日目を迎えた北京五輪。18日時点での日本のメダル数は金8、銀5、銅7の計20個とまずまずの健闘ぶりである。競泳2冠の北島康介選手をはじめ、アテネに続く連覇と女性の頑張りが際立つ。

今年のお盆休みは遠出を避けてテレビの前で「加油(中国語でガンバレという意味)ニッポン!」と大声を上げながら連日繰り広げられるエキサイティングな競技に見入っていた人も多かったようだ。

お盆休み中、オリンピック以外のビッグニュースといえば、ロシアとグルジアが武力衝突したこと(9日 - )、パキスタンのムシャラフ大統領が突如辞任を表明したこと(18日)ぐらいで、連日、日経を除く各紙の1面トップは日本人メダリストの大きなカラー写真で飾るなど、どこもかしこも北京五輪一色である。

このうち、ロシアとグルジアの武力衝突はたまたま筆者の知人の日本人女性ジャーナリストがグルジアを旅行中だったことからも気掛かりなニュースだった。

幸い彼女はイタリア大使館の緊急脱出バスに便乗することができたため、緊迫のグルジアを無事脱出することができた。だが、戦地からの生々しいメールによると、グルジア隣国のアゼルバイジャン・バクーにある日本大使館に連絡を入れても的確な脱出アドバイスはなく、何の役にも立たなかったそうだ。中国ギョーザ事件の隠ぺい問題といい情けない外務省である。

その脱出レポートは18日発売の『読売ウイークリー』に掲載されているが、「楽園と地獄が紙一重になった世界を、簡単に行き来できるようになってしまった現代。紛争、テロ、自然災害など普通の旅行者が、有事に巻き込まれて脱出ドラマを体験する機会は、それほど特殊なことではなくなるのではないだろうか」と結んでいる。

さて、国内のニュースに目を向けると、お盆休み真っ只中の日本の風景を1年前と比べて16日付の日経朝刊が興味深くレポートしている。見出しもズバリ「動かぬ夏」として、(1)こもるヒト=帰省渋滞短め、海外旅行も減、(2)滞るモノ=工場止め「夏休み」増、トヨタも減産モード、(3)細るカネ=株・投信振るわず、定期預金や国債に流入---など、日本経済には逆風が吹き付け、ヒト、モノ、カネの流れが停滞色を強めていると分析している。

案の定、お盆期間中(8月7 - 17日)の東日本、中日本、西日本の高速道路3社の通行台数は前年同期比約3%減、30km以上の渋滞回数も同47%の大幅減となった(各紙=19日朝刊)。言うまでもなくガソリン価格の高騰によるマイカーの利用が減ったことが大きな要因である。こうした中、西成活裕東大准教授が、車間距離を40m以上空けて渋滞の発生を抑える運転方法を中央道の小仏トンネル周辺で実験するニュースも取り上げられた(東京=14日夕刊)

ガソリン高騰によるクルマ離れは、高速道路の減少ばかりではない。10日付の朝日朝刊が「時間貸しの駐車場の利用客が減少しているため、駐車場各社は値下げや割引に動いている」と掲載。12日付の日経朝刊は「損保大手7社の業績が不振、自動車の販売低迷が金融業界の業績にも影響を及ぼしている」と報じた。さらに、経営権を握る投資ファンドによって創業家社長が解任された外食大手のすかいらーくでは「ガソリン高によるクルマでの来店客の減少などで業績悪化に歯止めがかからない」(各紙=13日付朝刊)との言い訳材料にもなった。

ただ、ガソリン高が“神風”に変わったのがハイブリッド車。レンタカー店では「休日を中心に予約が取れないほどの人気を集めている」と、産経と東京が16日付の朝刊で報じたほか、米国ではトヨタの『プリウス』の中古車価格が「新車価格を上回るという珍現象が起きている」(東京=13日朝刊)と伝えている。

このほか、自動車関連の気になるニュースは、担当記者も“五輪ボケ”なのか、アッと驚くような刺激的な記事はほとんどなかった。それでも、「米ビッグ3、脱大型車、加速」(日経=14日朝刊)、「GM、火の車、格下げ、破産法申請風評も」(朝日=15日朝刊)、「新興国へ米産日本車、各社が輸出加速」(朝日=18日朝刊)など、北米での自動車不況伝える記事が目立った。

経営者の話題では、毎日が都市対抗野球出場企業のトップとして、ホンダの福井威夫社長(10日)、三菱重工業の大宮英明社長(14日)、富士重工業の森郁夫社長(15日)、日産自動車の志賀俊之COO(17日)らが経済面のコラムに登場。「スポーツの魅力」を思い思いに語っていた。都市対抗を主催する毎日ならではのお盆休み中の企画である。
《福田俊之》

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