住友金属、シームレスパイプ増産のための工事が完了

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住友金属工業は、鋼管カンパニー和歌山製鉄所・特殊管事業所(尼崎)で進めてきたシームレスパイプの最先端商品を増産するための工事が完了し、6月末から営業運転を開始したと発表した。

これにより同社のシームレスパイプの生産能力は、高合金油井管、13%クロム油井管など収益性が高いスーパーハイエンド品を中心に9%、10万t分増強した。

BRICsなどの新興市場では経済成長を背景に世界のエネルギー需要は増大しており、石油・天然ガス開発プロジェクトで掘削に使用されるシームレスパイプの需要は高水準で推移している。また、CO2排出量削減の要請からエネルギー需要は石油から天然ガスに移行する傾向にあり、天然ガスは石油に比べて数千メートルの高深度で腐食性の強いガスを含んだ厳しい環境に多く存在する。

同社では、こうした厳しい環境で使用される高級シームレスパイプについて、スーパーメジャーオイルカンパニーを中心とする顧客からの増産要請に対応するため、2006年に最先端商品増産投資を決定し、鋼管カンパニー和歌山製鉄所・特殊管事業所で生産能力を増強する工事を進めてきた。投資額は約350億円。

同社は、バローレックグループとブラジルで、高炉一貫のシームレスパイプ製造の合弁事業を進めている。工場が稼動する2010年央以降、日本とブラジルを合わせて、シームレスパイプ年産160万トンのグローバル供給体制が確立する。これにより、スーパーメジャーオイルカンパニーを中心とする顧客の高級シームレスパイプに対するニーズに応え、鋼管事業の世界展開と差別化をさらに加速する方針だ。

《レスポンス編集部》

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