首都高速道路は18日、首都高速6号向島線駒形入路付近高架下で、「点検・補修デモンストレーション」と題し、橋を守る最新技術を報道に公開した。
今回のデモンストレーションは、地上にある首都高の橋脚部分にスポットをあてて行われ、鋼鉄部分とコンクリート部分の2つの素材に大別して同社専門担当がそれぞれレクチャーした。
コンクリート構造物については、「点検」の詳しい説明が行われた。人間の身体と同じく、視診・聴診を行い、それでもわからない場合は赤外線や電磁波を用いて点検・調査・測定する。
赤外線法では、コンクリート構造物表面の温度分布を測定し、コンクリートの「浮き」や「空洞」などをチェックする。コンクリート内に亀裂がある場合は、そこに雨水などが浸透し赤外線熱画像に低温部分として表示され、亀裂箇所を発見できる。
また、コンクリート中の鉄筋などの鋼材を傷つけないように試験片を採取するさいなどは、電磁波レーダ法が用いられる。実際にレーダ探査機器をコンクリート面に転がし、その測定結果をモニターに表示させる場所には報道・工事関係者が多く集まっていた。
ちなみに、首都高の営業路線293.5kmのこのような点検・補修にかかる金額はおよそ年間160億円(同社広報)という。