神戸製鋼、鋳鍛鋼の生産能力を増強---海運市場の需給が逼迫

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神戸製鋼所は、舶用製品の需要に対応するため、兵庫県の高砂製作所の鋳鍛鋼工場で生産能力を増強すると発表した。新プレスラインを増設して鍛造の生産能力を増強するとともに、機械加工能力や製鋼 - 鋳造能力も増強する。総投資額は約300億円の見通し。

同社は、船舶向け「低速ディーゼル機関用クランク軸」、「中速ディーゼル機関用クランク軸」での世界シェアが40%以上となっている。最近では、中国など新興国の経済発展で海運市場の需給が逼迫しており、新造船の建造需要も旺盛に推移している。

主要造船国である、日本・韓国・中国の各造船所では、今後3 - 4年間程度の仕事量をすでに確保しており、船舶の主要部品である舶用クランク軸の需給も逼迫している。

今回の能力増強は、これらの需要増に対応するため実施するもので、新たにプレスライン1ラインを増設し、鍛造能力を増強する。これにより同社のプレスは計3基となり、鍛造能力として月産1万トン体制を確立できる。

また、クランク旋盤などの加工設備や、製鋼設備・鋳造設備・加熱炉・熱処理炉などの関連設備についても順次更新・増設する。

今後、段階的に能力増強を実施、最終的には新プレスライン増設が完了する2010年4月時点で、低速ディーゼル機関用クランク軸生産本数については2007年度比50%増の年間540本、中速ディーゼル機関用クランク軸生産本数は同40%増の年間3600本まで生産能力を引き上げる計画だ。

新プレスラインの増設により、製品構成に合わせた最適なプレス機の選択が可能となり、原単位・生産性の向上によるものづくり競争力の強化にも結びつくとしている。

《レスポンス編集部》

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