岩谷産業は、液化水素の全国的需要増加に対応し、安定供給体制を図るため、千葉県市原市の岩谷瓦斯の千葉工場内に、液化水素製造プラントを建設すると発表した。営業運転開始は2009年6月の予定で、投資金額は約37億円を見込んでいる。
液化水素は宇宙開発、金属、半導体、ガラス、自動車など幅広い業種で使用されている。液化水素の特徴は大量供給が可能で、高純度、省スペースなどのメリットがありユーザーのニーズも着実に拡大している。今後の需要の増加に対応するため、東日本に液化水素の製造プラント建設を決定した。
水素ソースは、隣接する工場からの供給で、副生水素ガスを活用しCO2を新たに発生しない製造方式を採用した。関東地区では業界初の製造プラントで、関西のハイドロエッジ（大阪府堺市）に続く第2の拠点となる。東日本での液化水素の製造プラントを持つことで生産の安定化、安定供給体制の確立を目指す。
水素のマーケットは半導体や太陽電池などの次世代先端産業の伸長とともに増加しており、あわせて液化水素が使われる業種も増えている。こうした需要に対応するとともに、来るべき水素エネルギー社会の早期実現に向け、液化水素の普及、保安の確保、インフラの整備を進める方針だ。
