横浜ゴムは、茨城工場のホースの生産能力を拡大し、2010年4月には現在の日量9万メートルから10万メートルに引き上げると発表した。
増強するのは内面ゴムの外側に高張力のワイヤーをらせん状に巻きつけるスパイラルホースで、高圧力に耐えられ寿命が長いのが特徴。世界的な資源開発の活発化に加え、中東や中国、アセアン諸国の建設ラッシュで、油圧ショベルなどの建設機械向けに同ホースの需要が大幅に伸びているため、生産能力を増強する。
約20億円を投じて工場の敷地内にスパイラルホース専門の第3工場を建設する。今年9月頃から着工し、2009年1月に日量5000メートルで生産を始め、段階的に生産能力を増やし、最終的には日量1万メートルまで引き上げる計画だ。生産台数が伸びている小型から中型の油圧ショベル向けのホースを主に生産する。
第3工場では新技術や過去のノウハウを結集し、スパイラルホースの生産性を従来の約2倍にする。このため、生産工程を一貫してつなぎ自動化した連続生産ラインとする。工程間のロス時間がなくなり、生産リードタイムを従来の3分の1に短縮できるほか、仕掛品の減少や省力化などでコスト削減も見込める。
さらに、ラインに流すホース1本当たりの長さを従来の2倍にする新製法なども採用し、生産性の大幅アップを図る。