マツダの屋台骨を支える世界戦略モデル、新型『アテンザ』シリーズ(1月29日発表)の国内販売目標は、セダン、ワゴン、ハッチバックの3ボディ合計で月1500台。シャーシ設計を全面刷新するなど力の入ったモデルとしては、目標が低すぎるのではないかという声が、発表会場でも少なからず聞かれた。
販売目標を控えめに設定した理由はいくつかある。まずは市場の動向。ユーザーの購買力の低下や消費動向の多様化により、日本でのクルマの販売は落ち込み続けているが、アテンザの属するミディアムクラス乗用車市場はそのなかでもとくに冷え込みが厳しいクラスだ。
マツダの国内営業部門の幹部は、「乗用車のなかでも、欧州で言うところのCセグメント(全長4 - 4.4m程度。トヨタ『カローラ』クラス)とDセグメント(全長4.5 - 4.7m程度。アテンザはこのクラスに属する)は、ピーク時の半分も売れてないというのが現状です」と市場を説明する。
そしてアテンザの目標設定の事情について「初代モデルは、発売後は日本でも好調に売れていましたが、モデル末期には市場縮小もあって、販売はすっかり落ち込んでいました。1500台という数字でも、旧型のモデル末期に比べるとずっと多く、弱気というほどではないと思います」と語る。