【中国取材】e-CRBを支える“縁の下の力持ち”、BMTS

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中国のレクサス/広州トヨタディーラーで運用されているディーラーオペレーション・顧客管理システム、『e-CRB』(evolutionally Customer Relationship Building)。その開発全般に関わり、保守運用を担っているのが、ペキン・メディアテクニカルソリューション(BMTS:Beijing Media Technical Solution、以下BM)だ。北京市内のBMオフィスを取材した。


◆グローバルでの重複開発防止と競合他社へのノウハウ流出防止

BMは、トヨタ自動車の100%子会社であるデジタルメディアサービス(社長:友山茂樹e-TOYOTA部部長)の、中国での戦略的事業拠点である。デジタルメディアサービス副社長の小島修氏を董事長(社長)として05年の5月に設立して以来、e-CRBの構築と運用を担い、09年初頭よりスタートする中国のテレマティクスサービスのシステム開発にも携わってきた。中国のトヨタディーラーをシステム面で支える“縁の下の力持ち”とも言える存在だ。

BMのオフィスで働くスタッフは総勢約30名。エンジニアはそれぞれの持ち場に分かれて開発に当たっている。取材時は中国へのテレマティクス導入への追い込み段階とあって、オフィス内は張り詰めた雰囲気だった。ドキュメントは厳重に管理され、開発の進捗も1日単位でホワイトボードに記入されていた。


◆チベットのディーラーでもe-CRBが稼働中

トヨタ自動車e-TOYOTA部の友山部長は、「BM設立の背景にはグローバルでの重複開発防止と競合他社へのノウハウ流出防止、このふたつがある。外注は基本的に使わず、BM社内での開発としている」と語る。

e-CRBは2005年のモデル店稼働以来、2007年10月時点で中国国内のレクサスディーラー29店舗に展開しており、2008年の3月までに45店まで拡大の予定だ。広州トヨタ(GTMC)でもすでに119店舗で導入済み。BMはこれらすべてのシステム導入に携わってきた。

ひと言でe-CRBといってもSMB(Service Management Board)、TCV(Toyota Car Viewer)、i-CROP(Intelligent Customer Relationship Optimization Program)、CSボードといったようなさまざまな機能・サービスに分かれている。さらに、サービス工場で作業台兼工程管理用マシンとして使われている「システム台車」(中国語で「系統化台車」)の開発・組立といった“モノづくり”までBMが担っているのだ。

e-CRBの設計・構築から運用開始には相当な労力を要したようで、BMの小島董事長は「この1年はまともに眠れなかった」と苦笑するが、導入店舗のめざましい実績が励みになっているという。ディーラーへの導入がスムーズに運んだ背景には、「ディーラー運営の蓄積のない中国だからこそ、e-CRBのような大規模なシステムを導入できたのではないか」と小島董事長は分析する。

このe-CRB、チベットのトヨタディーラーでも運用されているという。友山部長は「わたしも現地へ行って見てきたが、チベットのような遠くにおいても、他のディーラーと変わらずお客様やスタッフにe-CRBが活用されているのを見たときは感動した」と語る。

「今後、当面は未導入の店舗への導入作業とテレマティクスの開発を同時並行で進めていく。将来は日本のディーラーへの導入も視野に入れている」(小島董事長)と意気込みを語った。世界のトヨタディーラーにe-CRBが導入される日は、そう遠い将来の話ではなさそうだ。
《北島友和》

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