今年2月、秋田県仙北市内にある国道46号のトンネル内で大型トラックを運転中、前走車を強引に追い抜こうとした際、対向車線を順走していた軽乗用車と正面衝突する事故を起こし、3人を死傷させたとして業務上過失致死傷の罪に問われた35歳の男に対する初公判が10日、秋田地裁大曲支部で開かれた。被告の男は起訴事実を認めている。
問題の事故は今年2月1日の午後0時50分ごろ発生した。仙北市田沢湖生保内字生保内沢付近の国道46号・桂巣トンネル(全長約390m)を走行中の大型トラックが、前走する別のトラックを追い抜こうと対向車線側に進入、対向車線を順走してきた軽乗用車と正面衝突した。
軽乗用車は衝突によって大破。運転していた21歳の男性と、同乗していた生後11か月の男児が死亡、21歳の女性も重体となった。警察では大型トラックを運転していた34歳(当時)の男を業務上過失致死傷容疑で逮捕。検察も同罪で起訴している。
10日に秋田地裁大曲支部で開かれた初公判で、被告の男は起訴事実を認めた。続いて行われた冒頭陳述で検察側は「被告は速度が一定しない前走車に腹を立て、車間を極端に詰めて煽り、さらには対向車線の状況を確認することなく進出。被害者のクルマと衝突した」と、事故が無謀運転によって引き起こされたことを強調している。