スズキの鈴木修会長は31日の9月中間決算発表の席上、インドで内外の自動車メーカーが開発を進める超低価格車について「大手さんも含めてやるというので、どうしょうかとウロウロしている」と語った。
超低価格車はいわゆる「3000ドルカー」と呼ばれるもので、民族系のタタモータースが2008年の市場投入を計画。ルノー・日産連合も現地の2輪車メーカーと組んで開発を進め「2010年ごろには発売」(カルロス・ゴーン日産社長)の構えだ。
インド最大手のマルチ社を抱えるスズキは、競争力ある小型車づくりでは世界でもトップクラスの実力をもつ。だが、3000ドルカーは未知の領域で鈴木会長も「どんなクルマになるのか、ちょっと想像がつきかねる」と、戸惑いを隠さない。
とくに「排ガス対策や安全対応問題などはどうなるのか」と言う。もっとも「(他社のクルマを)見てからでも遅くない」とも述べ、インド市場を熟知している現地最大手ならではの自信ものぞかせた。