クライスラーのスト、数時間で終了

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水曜日の午前11時を期限と定めた労使交渉がまとまらず、一部ストに突入したクライスラーグループのUAW組合員だが、結局数時間後に今後4年の締結事項が決定し、ストは回避された。ただし締結は一時的なもので、今後も継続的な話し合いが続けられる。

UAWの要望は、退職者に対する健康保険手当の支給、クライスラーが画策中の運送のアウトソーシングの阻止、将来にわたるアメリカ国内での生産の継続などだった。

締結事項の詳細は明らかにされていないが、退職者に対する健康保険については、クライスラーが資金を提供し、UAWが運営するトラストファンドが設立される、という内容が盛り込まれている。金額は明らかにされていない。

これはGMがUAWとの間で合意した内容に準ずる。GMが9月26日にトラストファンド設立で合意した際、UAW組合員の66%が賛成票を投じたと伝えられており、今回のクライスラーの合意も今後組合員の投票で確定されるものと思われる。

ただし運送のアウトソーシングについては、クライスラーの親会社であるサーベラスがシビアなコストカットの一環として主張を譲らないものと見られ、両者痛み分け、といった結果だ。

今後はフォードモーターの労使間交渉が控えており、GM、クライスラーの合意がフォードにも影響を及ぼしそうだ。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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