NECエレクトロニクスは、ナビエンジンでカーナビゲーションシステム市場に本格参入すると発表した。マルチコア技術を採用した業界最高性能のカーナビ向けシステムLSIを製品化し、『ナビエンジン』の名称で、サンプル出荷を開始した。
新製品は、人工衛星などを利用して自動車の現在位置や走行方向などの情報を表示し、運転者を目的地点へ導くカーナビ機能を1チップ上で実現するシステムLSIで、英国ARM社のSMP技術に基づく高速CPUコアを4個搭載し、並列処理により1920MIPS(400MHz動作時)という超高速処理を実現している。
また、組込み分野向けのグラフィクス描画コア開発大手の英国イマジネーション・テクノロジーズ社が開発したグラフィクスIPコア「SGX535」の採用により、2次元/3次元画像描画が可能となっている。カーナビ向けシステムLSIとしては世界で初めてシリアルATAを内蔵しているのに加え、カーナビに必要な様々な機能を搭載していることなどが特長だ。
新製品のサンプル価格は9000円/個で、2009年3月から量産を開始し、月産6万個を生産する計画だ。
同社は、新製品に採用された技術を「ナビエンジンアーキテクチャ」として、今後はこの技術を下方および上方展開し、普及品から多機能、高性能品を必要に応じ市場投入する。ナビエンジンを同社の代表的な製品のひとつとしての育成する構え。同社では、ナビエンジンアーキテクチャ製品などのカーナビ向け半導体の売上として2015年に300億円を目指す。