「窓拭き禁止」条例 施行される

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イタリア中部フィレンツェ市は8月27日、路上における自動車の窓拭きを禁止する条例を施行した。

イタリアには、信号待ちの車のフロントガラスを掃除し、ドライバーからチップを得る「ラーヴァヴェトリ」という小遣い稼ぎがある。大半は不法入国の外国人によるもので、小児労働を助長する温床にもなっている。

今回の条例では、路上で窓掃除行為をした場合、206ユーロ(3万3000円)以下の罰金もしくは3か月以下の懲役に処せられる。10月までの試験的な時限条例だが、施行翌日の28日には15人の窓掃除人が取り締まりを受けた。

条例に対するドライバーの反応は良好である。「頼みもしないのに強引に窓掃除をされた」「チップを拒否したら、モップの柄で暴力を振るわれた」「窓拭きと見せかけて車内のバッグを盗まれた」といった事件が各地で絶たなかったからだ。

この1週間だけで、ミラノ、ヴェローナ、トリエステ、トリノなど大都市が次々とフィレンツェにならった条例を制定する意向を示した。さらに路上で物品を売ったり、金品を要求する行為全体に、条例の適用範囲を広げるべきだとの議論も繰り広げられるようになった。

いっぽうで中央政府内には、フィレンツェの条例に疑問を呈する政治家もいる。「路上で働く人間の背後には、彼らの稼ぎを搾取する暴力的組織が存在する」というもので、「そうした根本的なところに国家レベルでメスを入れないと、真の解決に繋がらない」として、自治体レベルでの安易な条例制定を牽制している。

それに対して8月31日には、フィレンツェ市のある幹部から「秩序を守る一定数の窓掃除人を、合法化してはどうか」との提案が出された。もしこれが実現すると、「プロの路上窓掃除人」なる新職業が誕生することになるかもしれない。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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