日本科学未来館で4月22日に実施された講演、「水素エンジン車の未来」。マツダの「RENESIS」水素ロータリーエンジンの開発を手がけてきた柏木章宏主査による解説の中から、課題と今後の展開をピックアップする。
ガソリンに比べて馬力やトルクがないのが燃料としての水素の短所。実際に『RX-8ハイドロジェンRE』のRENESIS水素ロータリーエンジンは、水素使用時が110馬力、ガソリン使用時が210馬力と100馬力も違う。また、タンクに水素を350気圧の満タンにしての航続が100kmと、短い点も難点。今後は、いかに馬力やトルクを上げるか、航続距離を延ばせるかをポイントに開発していくという。
また、水素ロータリーエンジン搭載車の最新モデルであるRX-8ハイドロジェンREの欠点として、トランクスペースに水素タンクを配置したため、荷物を運びにくいというものがある。現状、公共機関などがリースで使用しているので、次のモデルとしては、バンタイプのクルマで開発するとしている。スペースを大きく取れるので、大型水素タンクに加え、ハイブリッドシステムも搭載し、航続距離を延ばすとしている。