中国市場は800万市場にまで成長し、いまや1国ではアメリカに次ぐ市場に成長した。なかでも、成長著しいのは小型車の市場である。世帯年収で10万元=約150万円前後の普通のサラリーマン共稼ぎ世帯がファーストカーとして小型車を選んでいるのだ。理由は価格だけではない。例えばここ上海でもタクシーをはじめとしてたくさん走っているフォルクスワーゲンの『サンタナ』は、10万元程度で購入できる中型セダンだが、上記のようなサラリーマン世帯は、最新のデザインと性能をもつ小型車を欲しがる。大きなターニングポイントは、渋滞緩和を目的としていた都市部への小型車の流入規制撤廃(2006年3月)と2006年4月1日からの、消費税率の変更である。これまでは乗用車の税率は排気量別に3−8%だったが、大排気量車について消費税率が大幅に引き上げられた。●1.5リットル以下 3%●1.5リットルから2.0リットルまで 5%●2.0リットルから2.5リットルまで 9%●2.5リットルから3.0リットルまで 12%●3.0リットルから4.0リットルまで 15%●4.0リットル以上 20%これは、政府主導による小型車誘導であり、狙いは石油の消費量抑制と環境問題への対応と言われている。これに加えて2006年夏に世界的な石油価格高騰がおこり、これまでは見栄で大きなセダンを欲しがっていた中国国民が小型車に注目し始めたのだ。たとえば、2004年9月からすでに、広州ホンダで生産し、販売しているホンダ『フィット』は9万48000−12万4800元というドンピシャの価格もあいまって2006年の1年間で5万8000台を販売している。今回の上海モーターショーで、日系メーカーは相次いで小型車について発表を行なった。
イード、「上海モーターショー2025」現地取材レポートを発表 ~EV技術は人型ロボットへ、日系メーカーは巻き返しなるか~ 2025年5月26日 今年の4月23日~5月2日に中国・上海で開催された「上海モーター…