スズキは4月27日、2007年3月期決算を発表し、売上高が3兆1637億円と初めて3兆円を超えた。
「この期は前期に比べて4172億円増えているが、その中身を見ると、ハンガリーで800億円、インドで700億円、パキスタンで約300億円と3工場で1800億円。それから欧州のドイツ、フランス、イタリア、スペインで1000億円伸びた」と鈴木修会長は語り、これまで種を蒔いてきた事業がようやく実ってきたことを強調した。
これもここ数年に発売した小型車『スイフト』や『SX4』などが欧州をはじめとした海外地域で大ヒットしたためである。しかし、その一方で国内の生産能力が一杯だったため、国内生産を軽自動車から小型車へ切り替えざるを得なかった。その結果、軽自動車の販売は07年3月期60万6000台と前期に比べて3.2%減少した。
「軽自動車が伸びて3兆円になったらよかったので、中ぐらいの喜び」と鈴木会長は売上高3兆円達成の感想を述べた。
しかし、今後はインドをはじめ、欧州地域でも競争が一段と激しくなることは間違いなく、「むしろ3兆円を迎えて、この先どうなるか。その心配の方が大きい」と鈴木会長は気を引き締めていた。