イタリア人騒然! 奇妙なフィアット 500

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フィアット『500』は、1957年から75年まで18年間にわたって造られた、戦後イタリアを代表するリアエンジン国民車である。ところがその500に奇妙な1台が現れて、イタリア自動車ファンの間で議論を呼んでいる。

問題の500は、今年初めからフランス系石油会社トタールのCMに登場している。ドライバーが居眠りを始めた500を、親切な給油所員がスタンドの端まで静かに手押しして行く、というストーリーである。「疲れたら即、休憩を」キャンペーンの一環として制作されたものだ。

議論を起こしたのは、その直前の給油中の場面である。ドア直後に付いたフューエルリッドを開けて給油するシーンだ。

だが本物の500はフロントフードを開けたうえ、内部にあるタンクにガソリンを注ぐ。つまり、CM中の車は実際には有り得ない500であり、さらに別のシーンを見ると左右両サイドに給油口があることもわかる。

この奇妙な500は、一部のバラエティ番組でも採り上げられる騒ぎとなった。500は生産終了後32年が経過した今も多くが現役で、所有者なら誰も例の給油口を「変だ」と気付いたからだ。今日までトタール石油からのコメントはない。

しかし考えてみれば、「フロントフードを開けて給油する」という“お作法”は、さすがに今日では珍しい。一般視聴者がそれに気をとられ、本来のメッセージが伝わらなくなるのを恐れたCM制作者が考案・改造した苦肉の500だったのだろう。

それとも車好きを騒然とさせるため、敢えて有り得ない車を造るという“計画的犯行”だったのか……。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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