日産ディーゼル工業の仲村巌社長は20日、同社がボルボの完全子会社になることについての記者会見で、「われわれの最大の望みは成長なんです」と強調し、こう続けた。
「成長を効率的にやっていくためには、完全子会社という形が最適だろうと思った。デシジョンも早くなるし、資金の有効な使い方もできる。いろいろな面でよかったと思っている」
ただ、仲村社長は完全子会社になるに当たって、ボルボ側に5項目のお願いをしたという。その5項目とは、
(1)日産ディーゼルが今後も日本における会社形態を維持し、顧客、社会に対する社会的責任並びにプレゼンスの維持・発展を目指すこと。
(2)日産ディーゼルおよびUDブランドをボルボトラック、ルノートラック、マックトラックと対等のブランドと位置づけること。
(3)日産ディーゼルのブランドアイデンティティ、企業文化を尊重すること。
(4)相互信頼の下「Win-Winの精神」で統合を推進すること。
(5)日産ディーゼルをボルボグループのアジア戦略を担う中核会社と位置づけ、今後速やかに必要な投資を行うこと。
これらのことをボルボ側が呑んだ結果、今回の完全子会社化に至ったわけだ。そのせいか、仲村社長は記者会見で終始安堵の表情を浮かべていた。