三菱『デリカD:5』には、消臭インテリアが標準で装備されている。タバコの臭いや有害物質をはじめ、車内の臭いを内装材に吸着、さらに分解してしまうという優れモノだ。
D:5の発表会場では、内装材メーカーである住江織物が、その効果のほどを実証するデモンストレーションを行っていた。
アクリル製の箱をふたつ用意し、うちひとつにD:5のものと同じ消臭内装材、もうひとつには通常の内装材を設置。その中でタバコを2本燃やし、ファンで内部の空気を数時間かきまぜる。その空気をエアポンプで吸い込み、ニコチン検出薬で空気中のニコチン濃度を調べるというものだ。
実験の結果、通常の内装材の箱の中の空気からは高濃度のニコチンが検出されたが、D:5の内装が仕込まれたほうからは、ニコチンはほとんど検出されなかった。臭い成分、有害成分とも、繊維に吸着するだけでなく、分解してしまうのだという。
「もともと住宅のインテリア向けに消臭材料を作っていましたが、三菱の『スペースギア』を皮切りに、自動車用に進出しました。三菱のモデルのほか、スズキ『MRワゴン』、ホンダ『ゼスト』などにもオプション設定していただいていますが、標準装備は初めてです」(住江織物技術士・源中修一氏)
消臭インテリアを持つクルマは、最近は珍しくないが、住江製インテリア材料は性能面でトップを走っているそうだ。
「通常、消臭材料は数年で効果を失ってしまいますが、デリカ向けをはじめとする当社の材料は、クルマの寿命と同等以上の期間、効果が持続します。また、氷点下30度の酷寒から50度の炎暑でも安定して効果が得られるのも強みです」(源中氏)
車内の空気といえば、新車の頃は樹脂臭、年月が経つと生活臭が気になってくるもの。そういった臭気を取り除くハイテク内装材が標準装備というのは、デリカD:5の大きなアドバンテージと言えるだろう。