格付機関のフィッチ・レーティングスはこのほど、ブリヂストンの長期外貨建ておよび円建て発行体デフォルト格付「A」、長期無担保優先債務格付「A」を据え置いたと発表した。
フィッチは、ブリヂストンによる米国の主要リトレッドメーカーであるバンダグ社を総額10億5000万ドルで買収するとの計画発表を受けて、昨年12月7日以降、格下げの方向で見直しを進めていたが、今回は据え置くことにした。
これは、バンダグ社の買収に加え、海外市場等での積極的な投資により、同社の主導的市場地位が強化されるという見方に基づいている。しかし、これらの投資は、短期的には同社のキャッシュフローとバランスシートを幾分弱めるとしている。
またフィッチは、2006年の同社の収益性は、石油や天然ゴムの高騰によるマイナス影響を受けているが、投資効果、コスト削減策、製品価格の値上げ、そしてピーク時に比べ下落している原材料価格によって、改善が見込めると判断した。さらに、今後2−3年間においてブリヂストンの財務指標は現在の格付レベルにふさわしい水準まで回復すると予想している。