「トヨタの米国工場や日産の追浜工場など、日本の自動車メーカーにはほとんど納めていますよ」。東京ビッグサイトで開催された「ネプコンワールドジャパン2007」(17日−19日)の会場でこう話すのは矢崎化工の関係者だ。
同社は今回の展示会で無人搬送車(AGV=Auto Guided Vehicle)のデモを行った。AGVは自動車の工場にとって、システムの一部になっており、いまやなくてはならない機械である。
同社のAGVの特徴は、フリークル(AGV駆動ユニット)を搭載している点で、しかもそのAGVは小さく、メンテナンスも容易で、導入時の手間は余りかからないというところにある。そのため、生産ラインの変化にフレキシブルに対応でき、ローコスト生産ラインが構築できるわけだ。
「この機械は四六時中動いていますから、信頼感が第一なんです。機械が動かなくなったら、製造ラインが止まることになりますからね。ですから、メンテナンスをはじめアフターサービスには力を入れていますよ」と同社関係者。現在、海外からの引き合いも多く、これからさらに伸びると期待している。
ただ、顧客からの要望も多いそうだ。なかには、AGVは「ピーピー」と音を発して走るため、1日聞いていると、家に帰ってからもその音が焼きついているということで、音を小さくしてほしいというものもある。
AGVは自動車の製造期間の短縮に合わせて日々変化を続けている。日本メーカーの自動車工場が世界的に競争力があるのも、その要因の一つにはこんなことがあるのかもしれない。