【検証】駐車監視民間委託4カ月 取締りはどう変わったか

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駐車監視員の導入から4カ月が過ぎた。民間委託は違法駐車取締りをどう変えたか。現時点は9月のデータが集計中のため6−8月四半期の取付データと記者の独自取材をもとに、今後の取付状況を分析する。……

取締り強化の効果について、全国的な調査はまだない。違法駐車がどのくらい減少し、その効果はどのくらいあるのか。その回答の一端を警察庁が都道府県警察の調査をまとめて公表している。

駐車監視員の巡回する路線での放置駐車の減少は顕著だ。東京都の主要路線(晴海通り、新宿通り、明治通りなど10路線約32.1km)、大阪市の御堂筋線(阪急前から新歌舞伎座前までの約4.0km)、名古屋市の6路線(中区錦3丁目内)では、施行前後で瞬間放置駐車台数が7割以上も減少した。

路線バスの定時運行にもプラスの効果がでている。京都市交通局の調べによると、京都市内河原町通南行き約1.7km(御池通−五条通)では、施行前平均9分25秒の平均所要時間が、施行後8分37秒まで短縮した。また同市四条通約1.6km(河原町通−堀川通)では、施行前平均12分33秒から12秒21秒に短縮した。

クルマの流れがよくなることで経済効果も期待できそうだ。都内23区と14政令都市の主要幹線道路約2200kmを対象にした試算では、時間短縮による効果が年間約1720億円、走行費用節約で年間約960億円、あわせて年間約1810億円の経済効果が得られたと、警察庁は試算している。また、CO2排出削減削減量は年間約15万2000トンで環境保全にも効果。京都議定書の運輸部門の削減目標への貢献する。

運転者の意識は、短時間駐車でも積極的に駐車場やパーキング・メーターを利用する方向に変わっている。これだけ国民の意識が変わる中で、最後に警察に求められるのは、民間委託のそもそもの目的であった余剰警察力の再配分だ。確認事務民間委託の端緒は、駐車違反取締りで消耗する警察官の負担を軽減し、治安や防犯に振り向けることにあった。こうした警察内部の効果についても集計を求めたい。

《中島みなみ》

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