【歴代 カローラ 物語】初代KE10型…2ドアセダン

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日産『サニー』とともにコンパクト・ファミリーカー市場の牽引車となり、今なお世界中の人々に愛されているクルマがトヨタの『カローラ』である。その初代モデルは、サニー1000が発売された半年後の1966年10月にデビューを飾った。最初に市場に投入したのは、セミファストバックのスタイリッシュな2ドアセダンだ。

トランスミッションも流行のコラムシフトではなくフロアシフトの4速マニュアルとしている。ファミリーカーの世界に、スポーティ感覚とラグジュアリー感覚を持ち込み、大成功を収めたのが初代カローラだ。

シンプルに徹しすぎて販売台数が伸び悩んだ『パプリカ』(トヨタのボトムに位置するベーシック・ファミリーカー)の反省から、カローラは「80点主義プラスα」思想を打ち出した。

上級の『コロナ』と互角の高い質感と快適装備を備え、動力性能にも余裕がある。ライバルのサニーは1リッターの4気筒エンジンだ。これに対しカローラは1.1リッターの4気筒OHVエンジンを積んでいる。税制面では不利になるが、豊かなカーライフを夢見る日本人の心情に訴えた。キャッチフレーズは『プラス100ccの余裕』だ。

パッケージングの妙と優れた動力性能、弱点を逆手に取ったコマーシャルで人々の心をとらえたカローラは大ヒットした。瞬く間にサニーを首位の座から落とし、兄貴分のコロナも抑えてベストセラーカーとなる。

翌67年からはバリエーションを積極的に拡大し、ユーザーの期待に応えた。使い勝手のいい4ドアモデルや2速ATのトヨグライド車を仲間に加え、首位の座を揺るぎないものにしている。68年3月にはSUツインキャブ装着のスポーティな「SL」を送り込んだ。そして4月にはファストバックの粋な2ドアクーペ、“カローラ・スプリンター”を仲間に加えた。

69年2月、エンジン排気量を1.2リッターに拡大し、さらに余裕ある走りを実現している。70年のニュースは、3月にミリオンセラーの最短記録を打ち立てたことだ。発売開始から3年5ヵ月にして累計生産100万台の金字塔を打ち立てた。

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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