ストレスフリーなタイヤを作ろうという発想が『Playz』の原点である。
タイヤを変えると、「ロングドライブが楽」「助手席がラク」「レーンチェンジが楽」「コーナーが楽」「雨の日がラク」「会話がラク」というメッセージを発信しているように、ドライビングの観点からタイヤがどうあるべきかを導き出しているのだ。つまり、タイヤの性能を上げるというより、「ラクに運転できるようにタイヤを工夫した」といったほうが正解だろう。
トレッドパターンは、アウトサイドとインサイドでカタチが異なる非対称デザインである。比較的小さなブロックで構成されているが、負荷が掛かったときにもタイヤそのものは、大きくたわまないようにスリット(溝)の幅を工夫したり、一部にブリッジを付けたりしている。内側のパターンは細かい溝がレイアウトされているが、排水性と乗り心地対策を狙ったものである。
内部構造もトレッドパターンと同様に、左右非対称になっている。たわんでもいいところと、しっかりしているほうがいい場所を選んで作り込んでいる。
トレッドコンパウンドも新しく、転がり抵抗は10%小さくなり、タイヤライフ(摩耗)は10%向上するというゴムを採用している。
Playzで注目すべきはプロファイルだ。タイヤのトレッド面を前から見たときに丸くなっているのだ。ここが平らだとフットプリント(接地面形状)が横に広がり、タイヤのショルダー部が強くなるので一見グリップがよさそうに感じる。しかし、このPlayzは比較的丸いほうに属し、これによりフットプリントは縦長になる。そうすることで応答性は素直になり、手ごたえが出てくる。またグリップも瞬間芸としての強さはないが、粘り強くなる傾向になる。Playzがドライビングしやすいと感じる秘訣なのだ。
タイヤの購買層はいろいろな人がいる。性能の頂点を求める人もいれば、そんなことに興味がない人も大勢いる。これまでは富士山のように頂点があって、裾野が広がるというマーケティングだった。しかし、このPlayzのマーケティング的位置づけを山の一例に当てはめるならば、八ヶ岳連峰のようにそれぞれの分野に頂点を持たせ、そのひとつになろうとしているタイヤだといえるのではないだろうか。
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