急発進して振り落とす…タクシー運転手を殺人で逮捕

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警視庁は20日、口論となった男性を振り落とした上、後輪でひいて殺害したとして、56歳のタクシー運転手の男を殺人容疑で逮捕した。当初はひき逃げとして処理されていたが、目撃情報から男の犯行と断定。逮捕に踏み切ったという。

警視庁・深川署によると、事件が起きたのは19日の午後11時20分ごろ。東京都江東区清澄3丁目付近の都道で、急発進したタクシーにひきずられた男性が路上に転倒し、後輪のタイヤでひかれるのを通行人が目撃した。男性は近くの病院に収容されたが、頭などをタイヤに踏まれており、間もなく死亡した。所持品などから同区内に住む72歳の男性と後に判明している。

この男性は事故の直前、タクシーの運転手と口論をしており、タクシーは男性を振り払うようにして急発進や急停車を繰り返していたことがわかった。男性がドアノブに手を掛けた直後、タクシーが急発進したことでバランスを崩して転倒しており、警察ではタクシーの運転手が男性へ危害が加わることを認識した上で故意に発進させた可能性が高いと判断。当初は死亡ひき逃げ事故としていたが、途中から殺人に容疑を変更。目撃情報から割り出したタクシーを運転していた56歳の男を殺人容疑で逮捕した。

男が運転していたタクシーに装着されたタイヤと、死亡した男性の頭部に残された痕跡は一致しているが、逮捕された男は「人はひいていない」と容疑を否認しているという。警察では死亡した男性と男の間で何らかのトラブルが生じていたものとみて、調べを進めている。

《石田真一》

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