【ADVAN航空機タイヤ】F1参入を意図か

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元F1レーサーの片山右京氏をして「レースカーの温度変化とは全然違う」といわしめるほど過酷な性能要求を満たす航空機用タイヤ、横浜ゴム『ADVAN AC Y-225』。これほどのハイエンドテクノロジーを有するタイヤメーカーは、F1のタイヤサプライヤーを目指さないのだろうか。

「もちろんF1をやってみたいという気持ちはつねにあります。技術的には、F1用タイヤを開発するために何をやっていくべきかというロードマップはすでに見えています」。航空機用タイヤを扱うOR・AC事業部の桜林秀明事業部長は、F1への思いをこう語る。桜林氏は長年、モータースポーツ用タイヤの開発を手がけてきた人物だ。

横浜ゴムはFIA(国際自動車連盟)が主催する3大レースのうち、WRC(世界ラリー選手権)、WTCC(世界ツーリングカー選手権)にタイヤサプライヤーとして参戦している。それはもちろん「ADVAN」のブランドイメージ向上のためでもあるのだが、FIAのコミュニティの中心に入っていくための布石でもあるという。

「じつは、以前にもF1への参戦を試みたことがあったんです。技術的にはそれなりに自信もありましたし、資金面さえクリアできればF1はすぐやれるというくらいに考えていたんです。しかし、現実には参入の壁はものすごく高いものがありました。技術云々以前に、ぽっと出の新参者など、相手にもしてもらえない。F1をやるためにはFIAにおける人脈と、モータースポーツ活動を通じて培われる信用が大切なんです」(桜林氏)

F1のタイヤに関する情勢は流動的だ。現在はブリヂストンとミシュランがタイヤを供給しているが、2007年シーズンはミシュランが撤退してブリヂストンがシングルサプライヤーとなる。FIAは2008年以降、F1のタイヤについてシングルサプライヤールールを採用することを決定しているが、これは多分にのマック・モズレー会長による政治的色彩の強い措置。当のFIAの内部からも「コンペティションである以上、複数メーカーによる競争があるべき」という声が聞こえてくるなど、今後も紆余曲折が予想される。

FIAが将来、F1タイヤの供給をマルチサプライヤーに戻すときが、横浜ゴムにとってF1参戦の絶好の機会となるだろう。果たしてF1のレーストラックにADVANの白文字が躍るときは来るか!?

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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